ブログ&コラム

2011年12月更新記事

"言い出しっぺ"を活かす組織づくり

"言い出しっぺ"を作り、その者を評価する仕組みをつくることが重要である。引っ込み思案の中からは何も生まれてこない。口火を切る者が出やすい雰囲気をつくるのがリーダーの役割である。

引っ込み思案が蔓延していませんか

 組織内で何かの課題に対して対応策を考え、それを実施しようとする場合、互いに引っ込み思案となり、「私がやります」という人が出てこない場合が多い。とりわけ初めて顔を合わす会合ではその傾向が強い。

 誰かが口火を切って発言してくれるだろう...と期待する心理は、実は微妙なものであり、様々な思惑が潜んでいるようだ。

 その内情を拾ってみると、
 (1) ここで下手に発言すると面倒な仕事を押し付けられそうだ
 (2) あいつは軽い人間だと思われるのが嫌
 (3) 自分なりの案は持たないわけではないが、しばらく様子をみよう
 (4) 下手に発言すると仲間はずれにされかねない
  ...等々であり、自分から切り出すことをためらってしまうのである。

 リーダーは、こうした空気を取り払ってしまう役割を果たす必要がある。

 発言の端緒を掴む方策としては、
 (1) 座席の並び方で端の方や真ん中の方から指名する
 (2) 当日の月日などに該当する番号や席順の者を指名する
など無作為の方法がよい。しかし、発言者を指名するやり方は次善の策であり、決して良策とは言いにくい。
 その場の雰囲気として、自由な意見やアイデア発言が次々と飛び出してくる状況を作り出すことが大切である。
 そのためには誘発する発言が必要であり、たとえば事例をあげるなどして、「このような方向でこのような状況の出現を望んでいる」ということを、その場にいる全員が判るように説明することである。
 その場合、留意すべきことは求める方策を織り込まないことである。リーダー自らが実行案の例を持ち出してしまうと、「何だ、リーダーはすでに成案を持っているではないか」という雰囲気に傾いてしまう。

部下はリーダーの指導力発揮を求めている

 言い出しっぺに口火を切らせることには、発言者としての責任を意識させる狙いがある。人は自分から言ったことには責任を感じるものだからである。
 したがって言い出しっぺが口火を切ったら、リーダーの役割としては、その場の全員がそれに賛同するように誘導することが重要となる。
 上から(会社から)押し付けられたものでなく自主的に出てきた意見であるという事実を明確にして、それを記録しメンバーの記憶として残すことに意味があるのだ。

 このようなプロセスにおいては、デキる部下ほどリーダーが指導力を発揮してくれることを希求しているのである。リーダーは、このことを決して見落としてはならない。

竹本次郎(たけもとじろう)/経営コンサルタント。鹿児島大学卒業。東京都労働経済局商工指導所、上武大学大学院教授を経て現職。著書に『トータルコストダウンの進め方』、『コンサルティング理論と技法』など。

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企業の繁栄は「報連相」にかかっている

 企業は収益を出していくために色々な工夫をします。管理責任者がその成果を出していくためには、「報連相(ほうれんそう)」が重要な役割を果たします。「報連相」とは、「報告・連絡・相談」の略で、企業の繁栄は「報告・連絡・相談」にあるといっても過言ではありません。
 本コラムでは、とくに営業部門・チームの強化という視点から、この「報連相」を解説していきます。

 1.何人くらいの部下が適当か
 2.情報伝達ルートはどうすればよいか
  3.「ほうれん草ノート」を活用する

.実践!「報連相」

 (1)出社と帰社の挨拶

 挨拶とは、心を開いて相手に迫ることです。それは、人と人のコミュニケーションの入口になります。基本的なマナーとして、会社に出社をして、人と会った際、「おはようございます」と挨拶をします。また、帰るときには、「お先に失礼します」などと言います。

 その出社と帰社の挨拶の場を利用して、報告、連絡、相談を確実に実行していきます。
 そのためには、出社と帰社の挨拶を、必ず上司の前まで行って実施するようにルール化をしましょう。
 遠い距離から挨拶をするのではなく、上司の机の前、1mくらいのところまで行き、立ち止まって、相手の方に向かって行います。受けた上司も、立ち上がって挨拶を受けるようにしましょう。
 同様に帰る際にも、必ず上司の前まで行って挨拶をします。このようにして、報告、連絡、相談の場を設定します。

 場の設定ができたら、いよいよ実践です。前述のノートの依頼内容などを確認します。帰り際の挨拶の際にノートを持ち出し、依頼した内容について状況の確認をしていきます。業務の都合で、帰り際にできなければ、翌日の朝の挨拶のときに確認します。

 また、直行や直帰などの場合は、外から電話をして確認をします。用事があるときだけ連絡を入れるのではなく、業務のスタート時と終了時はもちろんのこと、時間を決めて定期的に連絡を入れるようにします。

 報告するようなことが何もなくても、何もない旨の報告を必ずします。そうすることが報告、連絡、相談の習慣化につながるからです。
 「何かあれば言ってくるだろう」という認識では、やや不十分です。
 時間的にも数分程度で済みます。定期的にこまめに行い習慣化をしていくことで、より良いコミュニケーション、協力関係の構築にもつながります。
 これらを通じて、報告、連絡、相談の実効性を高めていってください。
(高澤 彰)
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